おうちにかえろ

いろんなこと考えすぎたせいか、宇宙にいるみたいな気分になってる。真っ暗闇の絶望とかではなくて、暗いけど星が一つ一つ小さく光っててわりと明るいところ。寒くもないし暑くもない。わりといいところなのかもしれない。地球から見ると、星の光は何万年も前のものだけどいまわたしの周りにあるのは、いま光ってる、地球から見た過去はいまわたしの前できらきらしてる、わたしの過去。わたしの過去はいつになったら輝いて見えるんだろう。土星の周りを近づいてみると石ころだった、みたいなものでもいい。わたしの過去はいま蓋をして隠しているからどう見えるかわからないしよく覚えてない。じゃあ周りにある星は?なんだろう、なんだっけ、わたしどこにいるんだろう、宇宙だからよくわかんない、声をだそうとしたけど空気がないから届かない。じゃあ今までどうやって息をしてたんだっけ?わたし今までどうやって生活してたんだっけ、小学校は楽しかった、中学校と高校はつらかったけど笑ってた、勉強もしてた、テレビは面白くておばあちゃんの家に行くのが楽しかった。でもどうやって生きていたのか思い出せない。

このままずっと宇宙にいたら星になっちゃう、過去になって光になっちゃう。そしたらみんなわたしのこと見つけられるかもしれないけどひとりなる。そんなのは嫌だ、わたしは君と同じ地球で息をしたい。

 

銀河鉄道の夜銀杏BOYZ