ずっと誰かに話したかった

「あの人とするって思ってたのに別れちゃって。寂しくなって、愛されたかったの、それに男の人に興味があったから」

事情があって援助交際をしてる女の子と同じ部屋にいた。小学生のときの先生たちとしてるらしい。その子には最近彼氏ができた。わたしも知ってる人で、自分にも他人にも興味を全く持たないのにその女の子だけは放っておけない人。

わたしは泣いてる女の子を抱きしめた。良かったねって言いながらわたしも泣いた。大切にされることがどういうことか、好きな人が支えてくれることがどれだけ安心するか知っていたから。良かったね、落ち着く場所ができたんだねって繰り返していた。そのとき女の子がどんな顔をしていたか思い出せない。

 

これは夢の話だから思うのかもしれないけど、その女の子はわたしだったのかなって。いまのわたしが思ってることを過去のわたしに言って、なぐさめるために抱きしめていたのかもしれない。

この女の子の話を真面目な人にしたら馬鹿じゃないのって怒られると思う。よくある話だしどんな言い訳をしても肯定されることはないと思う。

だから抱きしめてあげたんだ、誰にも見つからない夢の中で。