ストーカー級

初恋の人をいまだに忘れられずにいる。彼は水泳部で腹筋が割れてて、水泳の選手と同じ名前だったから11才のわたしはオリンピック選手になれると思っていた。
中学生のとき友達から彼もあのとき(わたし)のことが好きだったんだよと教えてもらった。その時から夢に彼が出てくるようになった。でも彼は小学生の時のままで、わたしだけどんどん成長していく。
高校二年生になってスマフォになってツイッターを始めたら、友達追加のところに小学生の時の友達が出てきた。もしかしたら彼もツイッターをやってるかもしれないと思ってフルネームを検索したらそれっぽい人が出てきて鍵アカで、それでも裏アカでフォローした。DMで本人か確認したら本当にそうですごく嬉しくなった。これで会えるって勝手に思った。(この時先にLINE交換しておけばよかったと思うしすでに気持ち悪い)DMで話していき、二人で会いたいと送ったら、案の定断られブロックされた。
そんなことをされたのに、今でも夢に出てくるし彼が好きだと思っていた女の子まで出てきて二人で仲良くしているのを悲しそうに見るわたしから抜け出せないくらい、ガリレオ福山雅治の真似をして彼と遊んでいたことが忘れられなくて再放送してるとつい見てしまうくらい、わたしはまだ彼のことを忘れられずにいる。

気持ち悪いことしたから会いたくないけど、謝りたい気持ちはあるから会いたいです、もし偶然見てたら連絡ください笑って言いたい。

とりあえずこれを読んだ人は気持ち悪っ!って思って笑ってください。

いらないからあげる

高3のときつらかったとき、エレベーターの中で、数学の先生がプラスとマイナスの法則があるんだよ、って言った。泣き顔がみんなにばれないようにエレベーターに乗ったわたしに数学の話するの?と思った。美輪明宏さんが言ってたんだよ、プラスだけとかマイナスだけとかってことはなくて、今はつらくてもちゃんといいことがこれからあるから、大丈夫、そう言ってわたしの頭を撫でた。数学とは全然関係なかった。

物理と数学を勉強してると嫌なくらい法則がでてくる。その法則があって正解を導いて赤いペンで丸をつける。先生だって数学をみんなに教えてるから知ってるよね、法則が正しいことを、正解を導いてくれることを。その法則も、先生が教えてくれた公式みたいにちゃんとわたしを解いてくれるよね、大丈夫だよね、今はちょっとつらいだけでプラスはわたしにもあるよね、

明日には世界がわたしに優しくなってますように

死んだら地獄

塾の建物の裏側にラブホテルが3つ。授業が始まるまで散歩しようと思って夜道を歩いたら見つけた。ホテルの前に高校生カップルが止まっていた。手を繋ぎながら料金のメニューが書いてあるパネルを見て、ここ安いねって驚いてる。二人が結局入らず違うところに行こうと遠くに離れてから、わたしもパネルを眺めた。14時間4500円から6000円。安いのかな。よく分からない。何時間いるつもりなんだろう、あの二人は親になんて言い訳して夜ご飯の時間を抜け出してるんだろう。

初めて目の前でホテルに吸い込まれようとしてる人たちを見た。蛍光色の青、ピンク、黄色が光る、カラフルな建物。ここはそういうことをするところで、お互いがいいよって思えばできることをするところ、意外と簡単なこと。未知なわけじゃないけど、本当に人間はしてるんだって思った。帰るときすれ違ったおじさんもおばさんも大学生っぽい人も知ってること、してること。

なんか不思議。簡単なことなのに、わたしにはできない。なんでわたしは彼氏に会えないんだろう。彼氏に抱きしめてもらえないんだろう。わたしも彼氏と行きたいよ。

あのカップルを見たときすごく泣きたかったってLINEで話したら彼氏はなぐさめてくれた。ありがとう。

みなさん、さようなら

わたしが産まれた時お父さんとお母さんはどんな顔をしていたんだろう。わたしの名前を知った時お兄ちゃんはどんな顔をしていたんだろう。知らなくてもいいことだけどなんとなく気になった。

あなたがわたしの名前を呼ぶ時どんな顔をしていたかわたしは全く思い出せない、声もよく分からない。いつもより低かったのか、ちょっとかっこよかったのか、照れていたのか。はっきりと思い出せたらよかったと思う?それはあなたがいまわたしの隣にいても嫌がるのかな。

ハッピーバースデーの歌を歌いながら、わたしの名前がろうそくに揺れながら、わたしが産まれる時をひとつひとつ振り返っていたらきっと息苦しくなる。うれしい瞬間も悲しい瞬間もあるから。それでも名前を呼ばれると、遠くにあったものがすぐに近くに戻ってきた感覚になってちょっとだけ安心する。元にあった場所へと戻ってくる、そこはわたしが忘れていたところで捨てたいけど捨てられない場所。

いつかまたわたしが産まれるなら、ずっとここにいたいと思える場所を見つけてハッピーバースデーを映画に出てくるような花束とケーキと一緒に迎えたい。

ずっと誰かに話したかった

「あの人とするって思ってたのに別れちゃって。寂しくなって、愛されたかったの、それに男の人に興味があったから」

事情があって援助交際をしてる女の子と同じ部屋にいた。小学生のときの先生たちとしてるらしい。その子には最近彼氏ができた。わたしも知ってる人で、自分にも他人にも興味を全く持たないのにその女の子だけは放っておけない人。

わたしは泣いてる女の子を抱きしめた。良かったねって言いながらわたしも泣いた。大切にされることがどういうことか、好きな人が支えてくれることがどれだけ安心するか知っていたから。良かったね、落ち着く場所ができたんだねって繰り返していた。そのとき女の子がどんな顔をしていたか思い出せない。

 

これは夢の話だから思うのかもしれないけど、その女の子はわたしだったのかなって。いまのわたしが思ってることを過去のわたしに言って、なぐさめるために抱きしめていたのかもしれない。

この女の子の話を真面目な人にしたら馬鹿じゃないのって怒られると思う。よくある話だしどんな言い訳をしても肯定されることはないと思う。

だから抱きしめてあげたんだ、誰にも見つからない夢の中で。

おうちにかえろ

いろんなこと考えすぎたせいか、宇宙にいるみたいな気分になってる。真っ暗闇の絶望とかではなくて、暗いけど星が一つ一つ小さく光っててわりと明るいところ。寒くもないし暑くもない。わりといいところなのかもしれない。地球から見ると、星の光は何万年も前のものだけどいまわたしの周りにあるのは、いま光ってる、地球から見た過去はいまわたしの前できらきらしてる、わたしの過去。わたしの過去はいつになったら輝いて見えるんだろう。土星の周りを近づいてみると石ころだった、みたいなものでもいい。わたしの過去はいま蓋をして隠しているからどう見えるかわからないしよく覚えてない。じゃあ周りにある星は?なんだろう、なんだっけ、わたしどこにいるんだろう、宇宙だからよくわかんない、声をだそうとしたけど空気がないから届かない。じゃあ今までどうやって息をしてたんだっけ?わたし今までどうやって生活してたんだっけ、小学校は楽しかった、中学校と高校はつらかったけど笑ってた、勉強もしてた、テレビは面白くておばあちゃんの家に行くのが楽しかった。でもどうやって生きていたのか思い出せない。

このままずっと宇宙にいたら星になっちゃう、過去になって光になっちゃう。そしたらみんなわたしのこと見つけられるかもしれないけどひとりなる。そんなのは嫌だ、わたしは君と同じ地球で息をしたい。

 

銀河鉄道の夜銀杏BOYZ

 

誰にも見つけられない星になれたら

今のわたしってつまらないっていうか、もっといろんなことぐわんって、まっすぐじゃなくてもいいから好きなことや興味あることを一つずつ実行して伸ばして、わたしを創りたいって思う。

映像や写真や絵や言葉に興味があることに最近蓋をしてきた。お金がないし自分のこと好きじゃないから好きな洋服も着れないし、したいメイクもできてない。

でも自分のこと100%は好きになれないかもしれないけど好きだなって思えることをつくっていけばいろんなことができるかもしれない。したい事がたくさんあるから、生きてみよって思えるかもしれない。

 

誰かにも見つけられない星になれたら/andymori