2019-01-01から1年間の記事一覧

おとぎ話のおわりがいつも思い出せない

ゆく年来る年、そんなプラマイゼロみたいに今年あったことを全部精算できたらいいのに、わたしが得たこと、失ったこと、コーヒーが飲めるようになった、お気に入りの香水が割れた、ザーサイが食べれるようになった、お酒に強くなってなかなか酔えない、ビー…

よるのあと

あの夜に戻れたら。何度も思い出してみるとあの人の気持ちが遠のくのを感じる。CDが再生されるたびすり減っていくように、あの人から聞いた言葉はもう同じ温度では出てこないだろう。彼女がほしい。まだ知り合って1年は経たないけど初めて聞いた言葉だった。…

いつかのこと、繰り返すとき

「決めるものじゃない、恋愛は決めるものじゃないよ」 付き合ってる人にそう告げられた途端、目をそらして、主人公は顔を両手で隠して泣いてしまう。 「決めさせてごめんね」 好きな人がいる彼女を無理やり自分と結婚させようとしていた彼はそう続けて、主人…

正しい終わり方を数える

これ以上傷つきたくなかった。もう吹っ切れたんだよ、すごいでしょ、とみんなに話すのは自己暗示かもしれない。年下の彼は、そんなわたしにその程度の恋だったんだね、と見透かしたように応える。そのくらい酷い人だったの。本当に好きなら、それでも追いか…

あの日の、あのときのまま

男友達に告白された。わたしに好きな人がいると知った上で、そりゃ何されてもってわけじゃないけど、好きを搾取されてもいいんだ、とも。なにそれめっちゃ好きじゃんとふざけて言ったとき、そうだよ、と即答されてこの人は馬鹿だな、でもうれしいな、がぐる…

拗ねたあなたを見て幸せだと思う

なんだかんだ1ヶ月が経つ。昨日職場で飲み会があったからか今日は夢にあの人が出てきた。付き合っているようなないような関係だったけど、今の片思いの状態より幸せで起きてすぐに忘れないように思い出した。とっくにあの人のことなんか好きじゃないと思って…

ひとりになるほうが簡単だ

頭のいい人が好きだけど、わたしは頭のいい人に嫌われるタイプだ。わかりやすい媚びうりと自信のなさからくるはりついた笑顔は自分でも鬱陶しくなる。頭の悪い年下の彼はわたしとぎこちなくキスをした。初めての経験ではないのに、何回も近づいては離れてや…

酔いから覚めたの、おやすみをもう一度

あなたのことがよくわかるからわたしは何もできなくなる。頭は良く回るのに身動きが取れない。そうやって何度ももうやめようと決めていた。なのに、これが最後、と終止符を打とうとするとそういう時に限ってあなたはちゃんとわたしのほうを向く。察するのが…

いつだって素直になれたはずだ、あなたもわたしも

大丈夫、わたしはあなたなんかどうでもいい。 バイトがない日は好きな服を着てラメがたっぷりのアイシャドウを瞼にのせる。今日は、はっきりしたピンクのリップを久しぶりに選んだ。いつもは落ち着いた桜のようなピンクだからわくわくする。自分のための日を…

観覧車のてっぺんで恋に落ちた

一度きりの夜だと思い知った。あのとき、夜の電車で、向かいに人がいない小さな席で隣に座ったときキスしてしまえばよかった。酔ったっと適当なことを言って手を絡ませればよかった。彼氏がいるのに、彼とキスしたいとかいろんなことを望む時点で最低なのだ…

また夜に会いたくなる

返信が素っ気ないのは脈なしです。長電話をしてくる彼はあなたのことがきっと好きでしょう。ネットにありふれた恋愛相談にあてはめようとしても、無理だった。彼の存在、というより彼と関わっている自分を、ありふれたちっぽけなものにしたくなかった。わた…

とても無防備で、危うい

好奇心なのか、あなたが好きなのか、よくわからないけれど、あなたのいろんな顔が見たいと思った。 あなたは、人懐っこくてみんなを笑わせていつも中心にいる。わたしといるときとあまり変わらなかった。そのことを伝えたら、そんなことないよ、と否定したけ…

ありふれたラブソングよりつまらないね

ひとりでも大丈夫、わたしにはやることがいっぱいある。週4でバイトして、大学では毎週小テストもレポートもあって、休み時間には時間ぎりぎりまで友達とドラマの話をする。彼氏とだってほぼ毎日会って次のデートは何しようって考える。今度は就活で忙しい親…

どこにも届かないでいい

意識しすぎて空回りするなんて何年振りだろう。彼と約束して会ったのは今日で2回目だった。初めてデートするときみたいに、前日から丁寧に準備をした。彼は友達感覚でいて、当日になって今日どうする?なんて連絡してきた。 あんなに思わせぶりなことしてき…

ばかなことの続きを

ときどき敬語になるところとか本当のことを言わずにはぐらかすところとかずるいなって思う。 あれから彼とはなんだかんだ長電話を繰り返してごはんの約束もして、昨日は突然会うことになった。会ったらちゃんと聞こうと決めていた。電話で好きな人の話をされ…

はじまりを教えて

わたしとは真逆の性格、彼氏とも全く違う人間。生きにくさなんて感じたことなさそうだ。あの人はシフトがかぶらないわたしに、連絡してよとLINEをさりげなく登録して帰り際にも何度もそう言って別れた。LINEも何て返そうなんて無駄なことに思考を使わないよ…

見つけてあげる、待ってて

こんなにも脆くなるなんて、久しぶりに思い出した。 夢で、初恋の人に会った。修学旅行みたいに、学年で遠出をしていて大きなリュックを背負って移動していた。列を外れると彼が何か眺めているのを見つけた。呼びかけると彼がこっちを振り返る。見つけられた…