ウーバーイーツに泣かされた話

はじめて仕事をサボった。起きて歯を磨きながら、今日はもうだめだと思った。テレワークだしだましだましやるかとパソコンを開く。しかし、始業から1時間本心を代弁するかのように涙が止まらなかったため、体調不良だとチャットで伝え、すぐさまパソコンの電源を切った。一種の体調不良だと言い聞かせながらも残る罪悪感。心も身体の一部なのに目に見えないだけでなんで切り離されるんだろう。目に見えるようになったら楽なのかな、いや厄介か。自分だって気づかないうちに人を傷つけてるから。
そんなことを考えてるうちに、どんどん落ち込んでいき、身体が鉛のように重くなる。ごはんも飲み物も受け付けない。
高校生のとき休学したことを思い出す。高3夏。周りが早慶マーチを目指すなかわたしはただ高校を卒業できることを目指した。休学明けも保健室とクラスを行ったり来たりした。単位をもらえる程度に勉強をしてなんとか卒業できた。そのときのことが最近夢に出てくる。大学受験をするのに出席日数や単位が足りないと慌てる夢。もうあれから7年経つからあのときの自分は別人だと切り離してしまえばあんな夢見なくなるんだろうか。
あのときみたいにこのまま会社を休み続けたらどうしよう。そんな不安がたまに襲ってくるけど、今日はなかなか引いてくれない。気休めにNetflixをひらく。シャワーを浴びる。行動するうちに、夕方になっておなかがすいてきた。
コロナになったかもと思ったときダウンロードしていたウーバーイーツを開く。初回クーポンで数百円。ポチッとしただけで、知らない人が仕事をサボったわたしにおいしいご飯を運びにくる。なんだそれ。優しいな。そういうサービスだけど、この日のわたしはそれだけで泣けてしまった。