どうせなら愛してるってわざとらしく笑ってよ

前に比べたらこんなに月日が経ったけどあの人とは何度か飲みに行っていたし誕生日も祝った。でもそれは2人じゃない。全部3人だ。彼氏ができたタイミングと彼らで集まるのが定着したのが同じくらいだった。3人でいるほうがずっと楽しかった。わたしはずっと馬鹿みたいに笑ってもう一人と思ったことを言って一番よく喋ってる。彼氏ができたことは話してないけどあの人から誘われることはもうなかった。

好きじゃないなんて言いながらよくわかってるんだね。
半年前だったか友達にそう言われたときうれしくなったことを思い出す。わかってること。落ち込むとたまにあの人のことを考えた。仕事に集中したくなるのも、あんなふうでしか人とつながれないことも、自分のことよりうまく説明できるんじゃないかってくらいよくわかった。お前はおれと似てるよ。その一言は嘘じゃなかったこともよくわかる。
相手のことを知れたって思ったときが恋の終わりだって何かで読んだ気がするけどその通りだ。もうよくわかってしまった。
好き、とたしかに思ったことは覚えてる。結局飲み込んでしまった。好きと伝えないまま、わたしのあの人への「好き」は終わった。だからかもしれない。もう嫌われても、どう思われてもいいから今まで一番楽しめている。大切にしたい人ほど言葉を選んで距離を置いてしまう性格にはやっとちょうどよくなった、なんて最終回にはいい結末なのかもしれない。

あんなに傷つくのはもうおしまい、さようなら。