正しい終わり方を数える

これ以上傷つきたくなかった。もう吹っ切れたんだよ、すごいでしょ、とみんなに話すのは自己暗示かもしれない。年下の彼は、そんなわたしにその程度の恋だったんだね、と見透かしたように応える。そのくらい酷い人だったの。本当に好きなら、それでも追いかけてるんだよ。誰でもよかった人に言われたくない。むきになって答えたら、彼は黙ってしまった。

いつからわたしたちはこんなふうになってしまったんだろう。みんなといるときは仲良く話してるのに、二人になるとぎこちなくて黙ってしまうか、うまく言葉にならなくて喧嘩のようになってしまうかで前のわたしたちとは全く別物になってしまった。ちゃんと先のことを考えてから行動しないとだめだよ。あの人のことでそうアドバイスをしたのは彼だったのに、彼のことは何も考えずに近づいた。もっとちゃんと考えていたら、関係が続いていたのかもしれない、二人でどうでもいいことで笑えてたのかもしれない。こんなことになるならそれでよかった。大切にしようとするともう迷惑がられるから、傷ついてないふりをする。ヘラヘラすることしかできなわたしを見る彼の眼差しも他の女の子に向けるような優しさは一欠片もない。こんな人たちに心をすり減らして与えなくてもいいんだよ。好きだったかもしれないけどもうだめなんだよ。そう言い聞かせてみたけど、体の奥から彼を思い出して涙が止まらなかった。